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二 - 2
を附加した。姉がまた壺へ手を懸ける、妹がまた匙をとる。見ている間(ま)に一杯一杯一杯と重なって、ついには両人(ふたり)の皿には山盛の砂糖が堆(うずたか)くなって、壺の中には一匙の砂糖も余っておらんようになったとき、主人が寝ぼけ眼(まなこ)を擦(こす)りながら寝室を出て来てせっかくしゃくい出した砂糖を元のごとく壺の中へ入れてしまった。こんなところを見ると、人間は利己主義から割り出した公平という念は猫より優(まさ)っているかも知れぬが、智慧(ちえ)はかえって猫より劣っているようだ。そんなに山盛にしないうちに早く甞(な)めてしまえばいいにと思ったが、例のごとく、吾輩の言う事などは通じないのだから、気の毒ながら御櫃(おはち)の上から黙って見物していた。
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