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二 - 13
も先生と同日同刻くらいに起った出来事ですからなおさら不思議に思われます」

    「こりゃ面白い」と迷亭も空也餅を頬張る。

    「その日は向島の知人の家(うち)で忘年会兼(けん)合奏会がありまして、私もそれへヴァイオリンを携(たずさ)えて行きました。十五六人令嬢やら令夫人が集ってなかなか盛会で、近来の快事と思うくらいに万事が整っていました。晩餐(ばんさん)もすみ合奏もすんで四方(よも)の話しが出て時刻も大分(だいぶ)遅くなったから、もう暇乞(いとまご)いをして帰ろうかと思っていますと、某博士の夫人が私のそばへ来てあなたは○○子さんの御病気を御承知ですかと小声で聞きますので、実はその両三日前(りょうさんにちまえ)に逢った時は平常の通りどこも悪いようには見受けませんでしたから、私も驚ろいて精(くわ)しく様子を聞いて見ますと、私(わたく)しの逢ったその晩から急に発熱して、いろいろな譫語(うわごと)を絶間なく口走(くちばし)るそうで、それだけなら宜(い)いですがその譫語のうちに私の名が時々出て来るというのです」

    主人は無論、迷亭先生も「御安(おやす)くないね」などという月並(つきなみ)は云わず、静粛に謹聴している。
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